無人店舗のメリットと課題|向いているビジネスモデル例

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無人店舗のメリットと課題|向いているビジネスモデル例

最近多くの業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいますが、その一環として無人店舗を見かけることも増えてきました。

少子高齢化が進むこれからの日本において、無人店舗は労働力不足を解消する効率的な経営方法として注目が集まっています。

今回は無人店舗のメリット・デメリットを両面から解説し、向いているビジネスモデルの例などを考えてみましょう。

 


コラムのポイント

・無人店舗のメリットを把握し、デメリットや課題への対策も考えましょう。

・無人店舗と相性の良いビジネスモデルの組み合わせで開業を検討するのがおすすめです。


 

無人店舗とは

無人店舗のスマホ認証のイメージ

無人店舗は、電子キーやカメラ―・センサーなどのデジタル技術を活用し、人的オペレーションを削減した店舗のことを指します。

商品の補充や清掃といった保守管理は人間の手が必要ですが、受付やレジといった業務を自動化してスタッフを減らすのが無人店舗の主な目的です。

コンビニやアパレルといった小売業からフィットネスクラブなどの会員制サービスまで、無人店舗は広がりを見せています。

また新型コロナウイルスの流行により、非対面サービスのニーズが高まったことも無人店舗の普及を後押ししています。

 

無人店舗のメリット

無人店舗のホットヨガスタジオ

 

省人化による経費削減

スタッフを減らすことによる人件費の削減効果は、無人店舗の大きなメリットです。

多くのビジネスにとって人件費は大きな割合を占めるため、省人化によるコストカットのインパクトも大きくなります。

スタッフの給与はもちろんですが、正社員・契約社員の場合福利厚生費も削減できるワケです。

一度システムとオペレーションを作ってしまえば、最小限の人数とコストで多店舗展開をしやすくなるのも大きなメリット。

 

人員不足解消

少子高齢化が進む日本では多くの業種で人員不足が常態化していますが、無人店舗はその解消にも役立ちます。

スタッフ数が少ないため人員確保しやすく、補充や清掃など業務の幅も狭いので採用・教育の手間も減らせます。

特に採用が難しい夜間スタッフの確保も不要になるため、営業時間や開業エリアの制限を受けにくいのも意外なメリット。

 

接客スキルの差が無い

有人店舗ではどうしてもスタッフの接客スキルに差が生まれ、平準化するためのマニュアル作成や教育が必要になります。

接客スキルの差が大きいと、クレームや客離れが発生するリスクがあります。

無人店舗の場合は接客・対応が自動化されるため、スキルの差によるリスクが無くなるのは意外なメリットです。

 

顧客データの収集分析ができる

無人店舗は入退場や電子決済によって顧客データを収集することで、有人店舗より経営分析をしやすいのも有利な点です。

顧客の年齢・性別といったデータが分かれば、効率的な広告の打ち方やサービスの改善点も見えやすくなります。

 

非接触によるスムーズなサービス

受付や決済を自動化することで、非接触かつスムーズなサービスを顧客に提供できるのも無人店舗のメリット。

ピークタイムや顧客が重なったときの受付・レジ待ちが発生しにくく、スムーズにサービスを利用してもらえます。

 

防犯性を高めることもできる

無人店舗では万引きや強盗などのトラブルが心配なイメージですが、逆に防犯性を高められるのもメリットの一つです。

キャッシュレス決済前提の無人店舗はそもそも現金を置かないため、そもそも強盗に狙われる可能性は低いです。

店内の設備や商品も、入退場システムや監視カメラがあるので盗難するのはかえって困難でしょう。

スタッフが常駐していなければ、深夜コンビニのように人質に取られるリスクもありません。

 

 

無人店舗のデメリットと課題

無人店舗の支払いイメージ

初期費用は高くなる

人件費のかからない無人店舗は中長期的なコストメリットは大きいですが、入退場や決済システム、カメラやセンサーといった初期費用は高くなるのがデメリット。資金調達の額が増えるため、開業ハードルはどうしても高くなります。

ただし電子錠や決済サービスを初期費用無し導入できる、サブスクリプション方式のサービスを選んで費用を抑える方法もあります。

また一旦有人店舗として開業し、経営が安定してきたら夜間のみ無人化するのも一つの手です。

後述する無人店舗と相性の良いビジネスモデルは、初期費用も抑えやすくなります。

 

消費者側のハードルが高い

無人店舗はスタッフからの接客を受けられないため、消費者側の心理的・技術的なハードルが高い点も大きな課題と言えます。

最近は高齢の方もスマートフォンを始めデジタルツールに触れる機会が増えています。しかし無人店舗はキャッシュレス決済が基本になるので、ハードルはかなり高くなります。

ビジネスモデルにもよりますが、デジタルリテラシーが低いユーザーを取りこぼしてしまう可能性が高いということです。

効率的にサービスを受けられる無人店舗は、一度体験すればリピート利用してもらうのは難しくありません。

最初の心理的ハードルを下げ、利用方法を分かりやすくすることが大きな課題となるでしょう。

 

イレギュラーに対応しにくい

店舗から人員を省いて自動化すると、マニュアルにないイレギュラー発生時の対応に困るケースも考えられます。

商品の欠品や機械の故障など、イレギュラー発生時のことも綿密にシミュレーションしておく必要があります。

実際に営業してみないと見えない課題もあるため、開業直後は細かくマニュアルを改定する必要があるでしょう。

 

 

無人店舗に向いているビジネスモデル例

 

フィットネスジム

フィットネスジムのロッカールーム

ここ数年店舗数と市場規模が拡大しているフィットネスジムは、無人店舗と相性の良いビジネスモデルの一つ。

特に24時間営業のフィットネスジムが増えていることもあり、無人店舗による省人化のメリットが大きいのです。

比較的年齢層の高い昼間はスタッフを配置し、若いユーザーが増える夜間だけ無人運営するジムも多いようです。

ビジター利用ではなく月額会員が前提なら事前決済できるため、入退場管理のみで済むのも無人店舗に向いているポイント。

 

インドアゴルフ

インドアゴルフの打席

近年店舗数を伸ばしているインドアゴルフ練習場も、無人化に向いているビジネスモデルです。

24時間365日稼働のインドアゴルフ場も増えており、無人店舗による省人化・コストカット効果も大きいです。

ゴルフも会員制システムと相性が良く、WEB予約でスムーズに練習できる無人店舗はユーザー側のメリットもあります。

インドアゴルフ経営についてはこちらのコラムでも解説しています。

関連コラム

 

 

コワーキングスペース

コワーキングスペースの無人店舗

フリーランスやスタートアップの仕事場として定着しつつあるコワーキングスペースも、無人経営のチャンスが大きい業態です。

コワーキングスペースはビジターよりリピート利用がメインになるため、会員性・月額性との相性が良いためです。

利用者が多い日中は最小限のスタッフを配置し、夜間は無人営業に切り替えることもできます。

 

無人販売所

無人販売所の冷凍餃子

コンビニやアパレルといった小売業とは別に、冷凍餃子・肉類など商品を絞り込んだ無人販売所の事例も増えています。

商品の数が少なければ、無人販売のシステムが簡素で済むため初期費用を抑えられます。

商品の補充や店内の清掃など少ない人手で24時間営業できるため、訴求力のある商品を扱えればチャンスも大きいです。

 

まとめ

日本の慢性的な課題である労働力不足の解消に役立つ無人店舗は、これからのビジネスでぜひ検討したい選択肢の一つ。

完全無人化、部分無人化などアイデア次第で、さまざまなビジネスモデルが考えられます。

これから開業を考えている方は、ぜひ無人経営についても検討してみてください。

 

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