ウッドショックはいつまで続く?工期遅れを防ぐ3つの方法

得になる知識

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建築業界に大きなダメージを与えているウッドショック。現在も厳しい状況にある、すでに回復した、など様々な情報が飛び交っていますが、仕事に大きな影響があるため私たち建築業界の人間にとってウッドショックは死活問題です。
今回のコラムでは、ウッドショックはなぜ起こったのか、いつまで続くのか、工期の遅れや中断を防ぐためには方法はあるのか、など改めて知っておきたいウッドショックに関するポイントをまとめました。

 


コラムのポイント
・ウッドショックによって、かつてないほどの木材不足と価格高騰に見舞われています(2021.10.18現在)。今後も長期化することが予想されますが、業界を周知していることである程度のリスクは回避できた実例もあります。
・工期遅れや中断を回避できるように在庫の確保や最新の情報収集に勤め、お客様への供給が滞らないように弊社ではコミットして参りますので、ウッドショックによるお困りごとなどあれば一度ご相談ください。


 

目次
■ ウッドショックとは
■ ウッドショックが起きた原因
■ ウッドショックはいつまで続く?
■ 建築業界を襲う『工期遅れ』『中断』を防ぐ3つの方法
■ ウッドショックによるリスクを回避するなら…

 

 

 

ウッドショックとは

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木材の価格が高騰する『ウッドショック』。新型コロナウイルス感染症の拡大によって木材の供給が需要に追いつかないことから、オイルショックになぞらえてこう呼ばれています。
ウッドショックの影響を受け、日本の建築業界は、住宅着工の遅れや住宅価格の上昇、工期の遅れや中断といった境地に立たされています。

▶︎経済産業省:新型コロナがもたらす供給制約・ウッドショックの影響

 

 

ウッドショックが起きた原因

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▶︎木材をたっぷり使用した温かみのある保育園

2020年、新型コロナウイルス感染症の影響によってロックダウンしたアメリカでは住宅の建築が一時落ち込んだものの、ロックダウン解除後には一転、住宅建築の需要が一気に増加しました。元々、リモートワークの増加で新しく郊外に自宅を購入する人やリフォームをする人などが増えていたこと、山火事や虫害によって木材が不足していたことも相まって、木材の需要が増加し価格高騰が引き起こされたのです。

また、新型コロナウイルス蔓延による経済の落ち込み、その経済回復を図るための建築ラッシュによって引き起こされているという側面もあります。アメリカだけに止まらず、そういった余波が世界中に広がり日本も例外なく影響を受けたことで、今回の木材価格の高騰に繋がりました。

しかも深刻な原因は、日本の林業界の動きが鈍いということ。国土の7割が森林であり豊富な資源がありながら人材の高齢化と長引く低迷により担い手が増えず、増産転じる余裕がありません。

 

 

 

ウッドショックはいつまで続く?

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▶︎木の味わい溢れるノスタルジックなレストラン

資源が枯渇しているわけではなく、木材の需要と供給のバランスが取れていないことがウッドショックの原因であるため、価格高騰は一時的なものでいずれは今までの水準に戻るとはいわれています。

しかし、いつまで続くのかがわからない、ウッドショックが終息しても元の状態に戻るとは限らないなどの事態を考慮すると、今までのように建築、施工を進めていくことはリスクかもしれません。

 

木材の供給量は増やせない?

日本の木材自給率は令和元年で37.8%と年々国産材の利用量は増えてきているものの、住宅建築に使用される木材の半分は輸入木材が使用されています。この木材が手に入りにくくなったことで引き起こされているウッドショックですが、『木材の供給量を増やせば問題は解決するのでは…』と考えられるかもしれません。しかし、林業従事者の減少、再造林の見通しが立たないこと、コロナ終息後に国産材から輸入材に戻る不安などがあり、供給量を増やすのはなかなか難しいというのが現状です。

 

国の対策はなされている?

国は、適正数を発注し過剰在庫をおさえるよう企業に要請を出したり、資金繰り悪化の特例措置を出したり対処はしているものの、先行き不明で不安なままの状態が続いています。

▶︎林野庁:ウッドショックによる工務店影響調査

 

 

 

建築業界を襲う『工期遅れ』『中断』を防ぐ3つの方法

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最も避けたい『工期遅れ』や『中断』ですが、これからご紹介する対策を講じることである程度回避することができます。

 

方法① 代替の木造工法を検討・提案してもらう

従来の工法のような輸入材に頼る方法を見直さなければなりません。工法によってはウッドショックのリスクに強いものがあることを認識して、設計の段階で検討しましょう。

大規模木造建築の場合、設計~供給~加工~施工までをワンストップで提供する仕組みが、リスクに強い安定した施工提供となります。工法を変えることで費用が変わる、1から設計をやり直すため時間がかかる、といったデメリットがありますが、現時点で決まっている工法に代替案はないのか、確認してみましょう。

 

方法② 使用材料の在庫確保ができる業者に依頼する

日本国内全ての在庫が不足しているわけではなく、木材の保管等ができる施設を所有し、製品市場や製材所から木材を購入している工務店や、木材の種類や発注量によっては在庫を確保できる業者は存在します。在庫確保ができる業者との繋がりのある施工会社に依頼することで、木材供給に対する不安を和らげることができます。

 

方法③ 生産元と木材産業のサプライチェーンに詳しい業者を選ぶ

ウッドショックだからといって、全ての木材が不足し価格が高騰しているとは限りません。生産元と木材産業の物流方法などを周知していれば、限度はありますが適材適所な木材をセレクトすることが可能です。

 

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▶︎20年自然乾燥を施した貴重な一枚板を使用したカウンター

 

 

弊社が対応した実例も、ご紹介します。

2021年8月、ある大規模木造新築物件の入札案件にて、見積もり作業の段階で、指定木材がウッドショックにより調達出来ないことが判明。見積もり提出を中断する事態に陥る。

他社も同様の反応となり、計画を見直す必要があるほどの問題に直面。

解決策が見当たらない状況に、当社は「耐震構法SE構法」という木造ラーメン構法の採用を提案。

当社はSE構法の登録施工店だったことから、使用材料・部品の在庫確保と加工納期を確約して、計画の再開と開業時期を予定通りにコミットすることを実現して受注しました。

 

ウッドショックに見舞われ、木材が手に入りにくい中でもこのような解決策を講じることができたことは、運が良かったとも考えますが、あきらめずに、この業界を周知してきたことがトラブル解決のためには大切な要素であったと感じました。

 

 

 

ウッドショックによるリスクを回避するなら…

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ウッドショックによって、かつてないほどの木材不足と価格高騰に見舞われています。

今後も長期化することが予想されますが、業界周知していることである程度のリスクは回避することができます。

秀建では、工期遅れや中断を回避できるように在庫の確保や最新の情報収集に勤め、お客様への供給が滞らないようにコミットして参りますので、ウッドショックによるお困りごとなどあれば一度ご相談ください。可能な範囲で、お手伝いさせていただきます。

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