業務用の一人用サウナ導入前に検討すべき課題|デザイン性・信頼性・メンテナンス

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業務用の一人用サウナ導入前に検討すべき課題|デザイン性・信頼性・メンテナンス

昨今のサウナブームは大きなビジネスチャンスを生み出し、宿泊施設・シェアハウスなどに一人用サウナを導入するケースも増えています。

例えば宿泊業界では「サウナ付きホテル」などの特集も多く、サウナ施設の有無が宿選びの指標の一つにもなりつつあります。

しかし業務用の一人サウナ導入にはさまざまな課題があり、ただ既存のビジネスに組み合わせるだけでは失敗するリスクが大きいです。

今回は業務用サウナ導入時に検討すべき課題を、4つのテーマ別にピックアップしました。

 


コラムのポイント

・サウナに対するユーザーニーズを正確にとらえ、既存ビジネスを加速させる業務用サウナ導入を考えましょう。

・サウナ本体の信頼性やメンテナンス性など、事業を継続していく上での課題も検証・対策が必要です。

・業務用サウナ導入では、技術力が高い施工会社のアドバイスも需要です。


 

課題①:デザイン性や付加価値

デザイン性の高い業務用一人サウナ

テレビドラマ「サ道」をきっかけにサウナブームは全国に広まり、多くのユーザーとビジネスチャンスを生み出しています。

しかしサウナをビジネスに採り入れる競合も増えており、ただ業務用サウナを導入しただけでは埋もれてしまう可能性が高いです。

例えば「サウナ付きホテル」はユーザーニーズが非常に増えていますが、ただ客室に一人用サウナを付けただけでは集客アップは難しいでしょう。

人気の観光エリアでは、すでに複数のサウナ付きホテルを選べる状況になっています。サウナ自体のデザイン性や客室とのトータルコーディネート、ラグジュアリーなととのい環境など差別化しないと集客は難しいかもしれません。

サウナを飛び道具のように考えるのではなく、施設やビジネスに付加価値をもたらす導入方法を検討してみましょう。

最近は美意識の高い女性専用のサウナ、福利厚生の一環としてオフィスにサウナを設置するなど、新しい付加価値を想像するサウナも増えています。

また従来の一人用サウナは個人住宅向けのコンパクトな製品がほとんどでしたが、最近は開放感のあるラグジュアリーな物も登場しています。

導入することで既存の建物・室内の魅力を高めるような、デザイン性の高いサウナを検討するのも一つの考え方です。

 

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課題②:信頼性・機能性

ユーザーにとって魅力的なデザイン性に加えて、サウナ自体の信頼性や機能性も重要な検討課題です。

 

 ガラス窓の業務用サウナ

例えばガラス窓はサウナの開放感とデザイン性を大きくアップできますが、反面断熱性の確保が大きな課題となります。

熱伝導率の高いガラスから熱が逃げてしまうと、サウナ室内が十分に暖まらずしっかり汗をかくことができません。ペアガラスや断熱性の高い枠を使用するなどの対策が必要になります。

このような課題は設計段階では分からないことが多く、デザイン性だけでサウナを選ぶといざ導入してから十分に暖まらないなどのトラブルになりかねません。実際の環境でテストを重ねて対策しているメーカー・製品を選ぶ事が大切になります。

 

業務用サウナの室温設定パネル

またユーザー自身が操作する個人用サウナの場合、誤操作や事故を防ぐための安全性も必要です。室温の上限設定や切り忘れタイマー、非常時のコールボタン信号など、万が一の事故が発生しないような対策が求められます。

サウナブームによって参入する企業や製品も増え、デザイン性や機能性もどんどん進化しています。しかし信頼性をしっかり検証せず、外見だけ整えたような業務用サウナを導入してしまうと、ユーザー離れやブームの収束も招きかねません。

例えば岩盤浴業界は2000年初頭にブームが起こり急成長しましたが、その後急激に店舗数が減少してしまいました。「不衛生で健康面の悪影響がある」など雑誌のバッシングを受けたことがブーム収束のきっかけですが、急激な店舗数の増加で不衛生な環境があった可能性も考えられます。

サウナもブームに乗っていい加減な施設が増えて事故が起これば、バッシングを受けて同じように収束する可能性はあります。

見た目やカタログスペックなど表面上の要素にだけに惑わされず、基本的な機能や信頼性にも注目してサウナ製品を選び、安心して利用してもらえる施設をつくりましょう。

 

課題③メンテナンス性

サウナの木材メンテナンス性

サウナを事業として継続使用するための日々の手入れ、消耗材の交換などのメンテナンス費用も、導入前に検討すべき課題です。

どんなにおしゃれなサウナを導入しても、手入れやメンテナンスが行き届いていなければ本来の性能や魅力を発揮できません。手入れに手間のかかるサウナはスタッフの業務負担増につながり、清掃が行き届かなくなる可能性が考えられます。

サウナファンは情報共有スピードが早いため、汚いなどネガティブな口コミがつくと集客力はすぐ落ちてしまうでしょう。ユーザーが体調不良などでサウナ内を汚してしまった場合の清掃方法なども確認すべきです。

またサウナ室内に使用する木材は乾燥による反りや割れ、水染みによる腐食などが起こることもあります。普段どんなメンテナンスが必要になるのか把握しておかないと、寿命が短くなり余計な費用発生の原因になります。

木材やドアなどの部品、サウナストーブの寿命目安と、交換時の費用などをあらかじめ調べておくことも大切です。

ホテルや旅館で複数の一人用サウナを導入する場合、台数分のメンテナンス費用が同時に掛かるため負担が大きくなります。

 

課題④施工技術

サウナ施設を設計する施工会社

実際に事業にサウナを導入する際、施工を担当する会社の建築知識と技術も重要な検討課題です。

施工会社の技術力が無いと、どんなに良いビジネスアイデアやサウナレイアウトを思いついても実現できません。

また既存の建物を解体してサウナを組み込む工事は、新築以上に高い技術や経験値が求められます。

必要なスペース、電源や給排水の確保やメンテナンスも考えた経路など、施工会社の腕の差があらわれるポイントは多いです。

またスムーズな工程で工期短縮し、機会損失を最小限に抑えられるかどうかも施工会社に掛かっています。

特にサウナは一般建築とは異なるノウハウが求められます。導入するサウナ製品・建築知識両方に精通している施工会社でないと、ムダのないスムーズな工程を組むのは難しいでしょう。

また計画の初期段階でも、どんなサウナが作れるのか?いくらぐらいかかるのか?など、施工会社のノウハウが必要になります。より経験豊富な施工会社に相談することで、さまざまなアイデアを形にできる可能性が高くなります。

業務用サウナ導入の際は、製品・メーカーに加えて実際に現場へ設置する施工会社の技術力にも注目してみてください。

 

まとめ

一人用サウナは多くの業種と相性が良く、ブームを追い風にビジネスを加速できる可能性を秘めています。

ただし集客につながるデザイン性やアイデアはもちろん、信頼性やメンテナンス性など検討すべき課題は少なくありません。

業務用サウナ導入では、十分に検証とテストを重ねた信頼できる製品、さまざまな状況に対応できる施工会社を選ぶように心がけてみてください。

 

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