2030年の保育園需要と開業の課題|施工会社の選び方も

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2030年の保育園需要と開業の課題|施工会社の選び方も

ここ数年は待機児童や保育所不足が大きく報道されており、保育園の新設を検討する事業者の方も増えています。

しかし少子高齢化が進むこれからの日本では、将来の保育園需要の動向も見据えなければいけません。

今回は2030年までの保育園需要予測や保育士の確保などの課題について解説します。

工事を発注する施工会社選びの考え方もご紹介しますので、ぜひ保育園づくりの参考にしてください。

 

保育所需要の動向

どんなに魅力的な保育園を作っても、そもそも子供を預けたいという需要が無ければ経営は難しいかと思います。保育所を管轄する厚生労働省が取りまとめたデータを見ながら、現在の状況について考えてみましょう。

 

保育所児童数のグラフ

抜粋:厚生労働省 保育所等関連状況とりまとめ(https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000821949.pdf

既に人口減少している日本は子供の数も減っていますが、保育所における数と利用児童数増え続けています。

保育所ニーズが増加しているのは、共働き世帯の増加によって幼稚園から保育園に需要がシフトしていることが原因だと言われています。

夫婦ともにフルタイムで働くのが当たり前になった現代、幼稚園の預かり時間は短すぎ、長期休み中の預け先探しも大きな負担です。

企業内保育所の導入事例も増えていますが、ある程度の規模の企業でないと設置は難しいでしょう。

女性の社会進出が今後も進むにつれ、共働き世帯と託児ニーズも増加すると考えられます。

 

待機児童数のグラフ

抜粋:厚生労働省 保育所等関連状況とりまとめ(https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000821949.pdf

待機児童の数は徐々に減少していますが、ここ数年は新型コロナウイルスの流行による申し込み控えが特に影響しているようです。

多くの企業がテレワークを推進したことにより、在宅勤務をしながら子供の面倒を見ることができるようになった方も増えました。

2022年現在まだコロナ過は完全に収束していませんが、オフィス勤務に戻っている企業も多く見られます。今後コロナ過が収束するにつれて、再び保育ニーズの増加が考えられます。

東京を中心とする一都三県は特に共働き世帯が多いため、今後も保育ニーズの高まりは続きそうです。

 

2030年までの保育園需要予測

保育所を管轄する厚生労働省の発表資料から、2030年までの保育園需要を予測したデータに注目してみましょう。

結論からお伝えすると「女性の就業率が上昇によって、少子高齢化が進んでも保育所のニーズは増える」というのが厚生労働省の予測です。

 

保育所利用児童数の予測

※抜粋:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000784219.pdf

 

保育園の利用対象となる0~5歳人口は減少が続いていますが、女性の就業率は今後も上昇が予測されています。

利用児童数のピークは令和7年(2025年)がピークと予測されています。

しかし労働政策研究・研修機構によると女性の就業率は2040年に87.2%まで伸びると推計されているため、急激に落ち込むことはなさそうです。

 

新子育て安心プランとは?

今後の保育ニーズを予測する要素としては、厚生労働省が進める新子育て安心プランの存在も挙げられます。

新子育て安心プランは、「令和6年度末(2024年)までに約14万人分の保育の受け皿を整備し、女性就業率の上昇と待機児童に対応する」政策です。

具体的な施策としては下記の内容が挙げられています。

 

  • ・新子育て安心プランに参加する自治体への整備費等の補助率の嵩上げ。
  • ・巡回バスによる送迎や保育マッチングの支援
  • ・魅力向上を通じた保育士の確保
  • ・空きスペースを活用した預かり保育の強化

 

国が保育所の増設や人員確保を支援し、女性が働きやすい環境を整備することで働き手不足を補うのがこの政策の目的です。

結果的に女性の社会進出と就業率上昇が進み、さらに保育ニーズが高まるという動きが生まれそうですね。

自治体の補助率上昇や保育士確保支援など、保育園運営にとってプラスに働く施策も盛り込まれています。

保育園開業を検討する方にとって、今後数年間は追い風の状況が続くと見て良さそうです。

 

保育士の確保も重要課題の一つ

保育園のニーズがあっても、働いてくれる保育士が居なければ成り立ちません。特に現在は保育士不足の状況が続いており、開園後の人材確保も考えておかなければいけません。

 

保育士有効求人倍率のグラフ

抜粋:厚生労働省 保育士の有効求人倍率の推移(https://www.mhlw.go.jp/content/R2.11..pdf

厚生労働省の調べによると、2021年10月時点での保育士の有効求人倍率は全国で2.66倍です。全職種の有効求人倍率は1.16倍ですから、保育士の数がかなり足りていないことが分かりますね。

このような保育士不足の背景としては、保育所数の増加と働き手の減少が影響していると言われています。

特に課題とされているのは、保育所を退職したまま復帰しない「潜在保育士」の存在です。

 

保育士退職理由のグラフ

抜粋:保育士の現状と主な取組 厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

保育所を退職した理由としては、人間関係・給与水準・仕事量の多さなどが上位に並びます。こうした原因で退職した保育士は、再び保育園に就職してくれる可能性は低いかもしれません。

また保育業界全体がこのようなイメージを持たれており、保育士の新規志願者も減少していると言われています。

せっかく魅力的な保育園を開園しても、保育士の数が足りなければ運営は立ちゆきません。開園までの人員確保はもちろん、離職を防ぐための働きやすい環境を整えることも大切なポイントになるかもしれません。

 

保育園の建築会社選びのポイント

太陽の子 南砂2丁目保育園の保育室

児童福祉法で規定される「児童福祉施設」に含まれる保育園は、設置基準を確実にクリアできる建築会社を選ぶことが最も重要です。

保育園建築では法令順守し設計通りに建築することは当たりまえですが、高い施工品質と安全衛生面への配慮も不可欠です。

極端な例ですが、仮に設計通りの仕上がりだったとしても、手すりが一つ脱落したら大事故になってしまいます。

体が小さく何にでも興味を示す園児たちにとって、どんなに小さな施工不良や不具合も大きな事故の原因となり得ます。

保育園建築の施工会社は必ず過去の施工実績を確認し、なるべくノウハウと高い施工品質を持ったところを選びましょう。

 

まとめ

女性の社会進出に伴う保育ニーズの増加を考えると、2030年までの保育園需要は十分見込みがある状況と言えそうです。

子どもたちの未来を守り育てる保育事業は、今後のニーズはもちろん社会的意義も少なくありません。

園児が将来大きくなったとき素敵な思い出をつくれるような保育園をつくり、日本の未来を支えてみませんか?

 

保育園建築では魅力的なデザインを実現しつつ、園児たちを危険から守る安全衛生面についてもしっかり考える必要があります。

実際のデザインやレイアウトを確認できる施工事例が多数ございますので、こちらもぜひ参考になさってください。

実績はこちら↑

 

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