ゴルフ業界動向とインドアゴルフの市場規模を考える

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2022年の好きなプロスポーツランキングにて、野球・サッカー・大相撲に次ぐ4位にランクインしたゴルフ。

しかし団塊の世代が引退を迎えるこの先、プレイ人口と市場規模は縮小すると予測されています。

そんな中、従来の屋外型練習場に替わりインドアゴルフ練習場が施設数やシェアを伸ばしています。

今回はゴルフ業界全体の動きや、インドアゴルフの市場規模について考えてみましょう。

参照:一般社団法人中央調査社 第30回「人気スポーツ」調査

 


コラムのポイント

・直近のゴルフ場と練習場の売上高は増加傾向にあります。

・アウトドア練習場が減少し、インドア練習場が増加。


 

ゴルフ業界全体の動向

 

2022年ゴルフ場売上高は微増

ゴルフ場売上高のグラフ

データ引用元:経済産業省特定サービス産業動態統計調査

日本全国のゴルフ場売上高は2002年をピークに減少傾向ですが、2021年は約944億円と2015年以来の数字に回復しています。

新型コロナが流行した2020年は約798億円と大きく落ち込んだものの、感染リスクの少ない屋外スポーツとして注目が集まり売り上げを伸ばしたようです。

経産省がまとめた2022年6月時点のデータを見ると、売り上げ・利用者数ともに前年同月比100%超えの月が多く、直近も好調な状態と言えそうです。

参照:経済産業省 

これから数十年で団塊の世代がリタイヤすることで、ゴルフ業界全体としては縮小すると予想されています。

しかし実際に売上高がアップした動きを見ると、まだまだポテンシャルはあると考えることもできそうです。

 

ゴルフ練習場は368億円で売上増加中

ゴルフ練習場売上高のグラフ

データ引用元:経済産業省特定サービス産業動態統計調査

一方アウトドア・インドアを両方含むゴルフ練習場は、ここ数年で売り上げを大きく伸ばしています。

ゴルフ場の売り上げが大きく減った2020年もゴルフ練習場は数字を伸ばしており、2021年には前年比116%368億円を記録しました。

新たにゴルフを始めた若年層が増えたというデータもあり、通いやすいインドアゴルフ練習場が増えたことも追い風になっているのかもしれません。

 

ゴルフ人口は1450万から520万人と減少

売上高自体は好調なゴルフ業界ですが、日本のゴルフ人口は減少傾向にあります。

レジャー白書のデータによると、ゴルフ参加人口のピークは1995年の1370万人。2000年代に入ってからは徐々に減少が続き、2020年は520万人と言われています。

コロナ過におけるアウトドアスポーツのニーズ増でゴルフ人口も増えたと言われていますが、少子高齢化が進むこれからの日本はさらにプレイヤーが減るのは確実です。

特に団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」のタイミングでは、ゴルフをリタイヤするユーザーが増えると予測されています。

プレイヤー減少に伴うゴルフ市場規模縮小に備え、若い新規ユーザーの獲得や新しい楽しみ方などの取り組みが必要になるかもしれませんね。

参照:ゴルフ市場活性化委員会 ゴルフマーケットデータ

 

 

アウトドア練習場は減少、インドアゴルフは増加傾向

業界の中でも売り上げが伸びている練習場ですが、多くの地域でアウトドア練習場は減少し、インドア練習場が増加しています。

 

ゴルフ場数の推移

公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟より一部抜粋 

公益社団法人全日本ゴルフ練習場連盟が調査・発表した2021年度のデータを見てみましょう。

全国でアウトドア練習場は26か所の減少、インドアゴルフ練習場は241か所の増加となりました。

特に大都市圏はインドアゴルフ練習場の増加数が大きく、東京都+88、大阪府+29、神奈川県+24千葉県+12となっています。

東京都は476店舗と数が多いですが、都内には700以上の駅がある事を考えるとチャンスはまだまだありそうです。

神奈川・埼玉・千葉などの首都圏も、人口や駅の数に対してインドアゴルフ練習場が少ないので、ねらい目と言えそうです。

広い土地の確保が容易な郊外エリアが多い都道府県ではまだアウトドア練習場が主流ですが、それでも少しずつ数を増やしています。

大都市圏を中心にインドアゴルフ練習場の認知が広がれば、いずれ全国的な流れになっていくかもしれません。

 

インドアゴルフ場が増えている理由

インドアゴルフの室内

都市部を中心にインドアゴルフ場が増加している理由について考えてみましょう。

 

アウトドアゴルフ場の後継者不足による閉鎖

従来のスタンダードだったアウトドア練習場は、前述したように1年間で26か所が閉鎖しています。

屋外型の練習場は設備投資が大きく、数十年前に建設された施設は後継者が見つからず閉鎖するケースが多いようです。

東京(-2か所)神奈川(-5か所)など大都市圏で特にその傾向が強く、アウトドア練習場の閉鎖で溢れたニーズをインドアゴルフがキャッチしている流れも予想されます。

今後さらにアウトドア練習場の閉鎖がすすむと、ますますインドアゴルフのニーズは増加するかもしれません。

 

未経験者でも入りやすい店舗

打ちっぱなしなどのアウトドア練習場は、初心者や未経験者が入りにくいと感じるケースが多いです。ホームページすら無い施設も多く、初めての方が利用しやすい環境とは言えません。

一方インドアゴルフ練習場は初心者・未経験者を対象にしている施設も多く、初めてでも入りやすい雰囲気や仕組みがそろっています。

レッスンとセットになっている店舗も多く、曜日や時間が限定されているアウトドア練習場より予約を取りやすいのも初心者向きなポイント。

未経験でも通いやすいことからゴルフユーザーが増え、さらに店舗が増加するという好循環を生み出しているのかもしれません。

 

酷暑によるインドアへの切り替え

近年の夏は40℃近くになることも多く、酷暑回避をきっかけにインドアゴルフ練習場へ切り替えるユーザーも増えていると予想されます。

ゴルフ練習で汗をかくのは気持ち良いものですが、気温が高すぎると不快感や熱中症による健康被害も考えられます。

スポットクーラーなど暑さ対策する練習場もありますが、屋外では限界があるでしょう。

インドアゴルフは一年中快適な環境で練習に集中できるため、一度体験すれば継続利用してもらえる可能性は高いです。

夏はもちろん、冬場の寒さも関係なく快適に練習できる環境は、インドアゴルフニーズ増加の大きな理由と言えるでしょう。

 

アウトドアゴルフにない分析や上達サポート

インドア練習場はアウトドア練習場より細かいデータ測定・分析ができる点も、ニーズが増加している一因と言えるでしょう。

フォーム撮影やスイングスピード計測ができる最新機器を導入しているインドア練習場が多く、初心者から中~上級者まで幅広いユーザーにとってメリットがあります。普段アウトドア練習場を使っているユーザーが、インドア練習場を併用するケースも考えられます。

インドア練習場でスイングを細かく修正し、アウトドア練習場で実際の球筋を確認するなど、ニーズを共有しているケースもありそうです。

 

24時間営業

24時間営業のインドア練習場も多く、アウトドア練習場が営業していない深夜・早朝のニーズが流入していることも考えられます。

好きな時に通えるインドア練習場なら、仕事前の早朝など練習時間の幅が広がります。

閉店時間を気にせず練習できるため、仕事終わりのユーザーも気軽に通いやすいでしょう。

 

車を持たない方のニーズ

近年若者を中心に車離れが進んでおり、公共交通機関が充実する都市部では電車・バス通勤で車を手放す方も増えています。

このような方にとって郊外のアウトドア練習場は通いにくく、駅前など好立地にあるインドア練習場のニーズ増につながっています。

 

まとめ

少子高齢化に伴う人口減少が続く日本では、ゴルフ業界の市場規模も縮小が予想されます。

しかし世界的なメジャースポーツであること、売上高回復の動きなどを考えると、全くチャンスが無いとは限りません。

都市部でさらにインドアゴルフ場が増加・活性化すれば、今後全国的なムーブメントになることも考えられます。

インドアゴルフの開業・経営についてはこちらのコラムでも解説していますので、ぜひご覧ください。

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