病院建て替えの費用や期間目安を解説|施工事例も

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日本国内では多くの病院が建て替えのタイミングを迎えていると言われています。

しかし病院の建て替えは多額の費用と長い期間がかかる大プロジェクトですから、どう手を付けて良いか分からない方も多いでしょう。

今回は病院の建て替えにかかる費用や考え方にスポットを当ててみます。

後半では実際の病院建て替え事例とかかった期間をご紹介します。

 


コラムのポイント

・病院建て替えのタイミングは築30~40年が目安です。

・患者さんに選ばれる病院をつくるのも建て替えの大きな目的です。


 

 

病院選びでは建物も見られている

築年数や設備の老朽化をきっかけに病院建て替えを検討する方が多いと思いますが、患者さんに安心して選んでもらえる施設に生まれ変わるという意味も大きいです。

 

病院選びの理由グラフ

引用元:厚生労働省 平成29年受療行動調査(概数)の概況

厚生労働省が平成29年に調査したデータによると、病院を選んだ理由の5位に「建物がきれい・設備が整っている」がランクインしています。

交通の便や専門性、口コミなども大きな判断理由ですが、設備の充実度や建物の新しさも病院選びの判断材料になっているということですね。

同じエリア内に複数の病院がある場合、より新しくキレイな建物の方が集患しやすくなる可能性が高いです。

特に入院目的の病院探しでは12.7%の方が建物・設備をチェックしており、重要度が高くなっているようです。

 

病院選びの情報入手先

引用元:厚生労働省 平成29年受療行動調査(概数)の概況

また病院選びの情報収集手段では、インターネット検索の比重が高くなっています。

最近は若年層のみならず高齢者の方まで幅広くスマートフォンが普及したことで、病院探しもインターネットを活用することが増えているようです。

特に外来はインターネットで情報収集する方が多いため、ホームページで清潔感のある設備や建物を訴求すれば決め手になる可能性が高いです。

来院数や病床稼働率の改善にも、建て替えによるリニューアルの効果が期待できるかもしれません。

 

病院建て替えのタイミング

建て替え後の病院受付

2022年現在、1980年前後に建てられた多くの病院が築30~40年となり、建て替えのタイミングを迎えていると言われています。

築30~40年は内装・外装・設備ともに寿命を迎えるタイミングで、大幅なリニューアルか建て替えのどちらかが必要です。

仮に大きなトラブルが無くても、空調やボイラーなど大型設備を一新するとまとまった費用が掛かります。

さらに築年数が進むと細かい建物トラブルが増え、メンテナンスや修繕にかかる費用も増加します。

事業継承などで今後も数十年診療を続けるなら、大規模リニューアルより建て替えの方が心配事やリスクは少なくなるでしょう。

新築当時と現代では病院に対する患者さんのニーズも変化しているため、既存建物で対応しきれない場合も建て替えを検討すべきタイミングと言えます。

また医療業界全体の課題となっている人手不足に対しても、建て替えで働きやすい環境をつくることが解決の糸口になるかもしれません。

人手不足が課題となっているなら、建て替えでスムーズな動線や予約システムの導入など業務効率化を図ってみましょう。

 

病院建て替えの費用

具体的な病院建て替えを検討する際、まずどれくらい費用がかかるのかが最初のハードルとなります。

建物の規模や状態、建て替えの手順などによって費用は大きく変動しますが、今回はデータからおよその費用目安を立ててみましょう。

 

病院建設の平米単価の推移

引用元:独立行政法人 福祉医療機構

独立行政法人 福祉医療機構がまとめたデータによると、2020年度の病院の平均建設費用は122万円/坪(37万円/㎡)でした。

 

病院建設の一人当たり延べ床面積の平均

引用元:独立行政法人 福祉医療機構

また同じデータで定員一人当たり延べ床面積の平均は、59.6㎡/人となっています。

上記の数字から、30床の病院の建設にかかる費用目安を考えてみましょう。

 

  • 59.6㎡×30床=1788㎡
  • 1788㎡×37万円=661,560,000

 

あくまで概算ですが、30床の病院には約6.6億円の建設費用が掛かるということです。さらに建て替えの場合は既存病院の解体処分費用、別の場所で仮営業するための地代家賃なども発生します。

ここ数年の建設費用は高止まりしていますが、特に2022年現在は建設資材全般が高騰しており、病院建設費用もその影響を大きく受ける可能性が高いです。

また新築当時とは一床当たりの床面積や廊下幅などの基準も変化しており、同じ規模の病院でも延べ床面積と建築費用が増加する傾向があります。

 

病院建て替えで考えるべきポイント

建て替え後の病院診察室

 

建て替え期間中の仮診療

地域の患者さんやスタッフの雇用のことを考えると、建て替え期間中も仮診療を続けたいと考える方が多いと思います。

敷地に余裕があれば今の建物で診療しながら完成後に移転できますが、難しければ仮診療できる物件を見つけなければいけません。

数か月~1年の建て替え期間中だけ借りられる物件が近くにあれば良いですが、ちょうど見つからないケースも多いです。

土地だけ借りてプレハブで仮診療所をつくったり、新しい土地を用意して病院ごと移転したり、さまざまなパターンが考えられます。

仮営業中の地代家賃や新しい土地の購入など費用も掛かりますので、一番スマートに仮診療を続けられる方法を探してみてください。

 

どのような医療を提供するのか

ただ新しい建物をつくるだけでなく、新しい病院でどのような医療を提供するのかコンセプトを練ることも大切なことです。

この後ご紹介する施工事例のように、病院のネガティブなイメージを払拭すればお子さんや苦手意識のある患者さんも通いやすくなるでしょう。

 

待ち時間別にみた診察までの待ち時間に対する満足度

引用元:厚生労働省

また予約システムを導入して、患者さんの待ち時間を軽減するのも満足度向上につながる取り組みです。

上記厚生労働省の調査を見ると、待ち時間が増えるとかなり満足度が下がることが分かります。

いつも混んでいて長時間待つ病院より、ネット予約でスムーズに受診できる病院の方が患者さんのメリット・満足度は大きくなります。

小さなお子さんが居る方、仕事の合間など短時間で受診したい方など、多くのニーズに対応できる可能性も高いです。

 

病院建て替えの施工事例と期間

最後に、私たち秀建が実際にお手伝いした病院建て替えの施工事例をご紹介します。

 

重城病院の外観

詳細ページ⇒重城病院

1986年開院の千葉県木更津市の重城病院様は、5年間の構想期間を経て2022年5月1日にリニューアルを実施。

 

重城病院の待合室

地上3階建て36床規模で、従来の病院のイメージを一新するユニークな外観・内装に生まれ変わりました。

同じ敷地内に新しい建物をつくる建て替え方法で、本体の施工・外構・既存建物の解体なども含めると約2年の施工期間が掛かっています。

 

「病院のネガティブなイメージをポジティブに変えたい」という重城保之院長の想いから、院内の各所にアーティストの壁画を採り入れているのだそうです。

 

まとめ

病院建て替えは老朽化した施設をただ新しくするだけでなく、患者さんが気持ちよく訪れることができる場所をつくる目的も大きいです。

また現代の病院選びではインターネット経由で、建物・設備の新しさや充実度もチェックされている傾向があります。

築年数が進み集患率が落ちてきている状況も、建て替えリニューアル検討の良いタイミングかもしれません。

 

秀建のオフィス外観

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